バレエをしていたら、ターンのときもっと軸を保ちたい、きれいなラインで踊りたい、と思いますよね。実はバレエのレッスンをしているだけでは、バレエの動きを作る筋肉がつくわけでありません。
しかし、ダンサーは筋トレをして筋肉をやみくもにつければいいわけではありません。バレエにはバレエの筋肉が必要なのです。ここではバレエに適した筋トレの方法をご紹介します。
バレエで使う筋肉
バレエではテクニックによって様々な筋肉を使いこなしますが、特に重要なものはインナーマッスル(深層筋)です。これは体幹を保つ役割をします。
反対に、アウターマッスル(表層筋)は関節を動かす役割をもちます。アウターマッスルもある程度は必要ですが、鍛えすぎには注意が必要です。
~鍛えたい主な筋肉~
体幹のインターマッスル | 脊柱起立筋、大腰筋、菱形筋、など |
きれいな足にする | 内転筋 足指の筋 足底筋 |
足の外旋(ターンアウト)を保つ | 外旋筋 |
体幹のインナーマッスルを鍛える
フロントブリッジ
サイドブリッジ
この二つをセットにして行います。例えばフロントブリッジ(30秒)→サイドブリッジ右(30秒)→サイドブリッジ左(30秒)
といった具合です。最初は大変ですが、音楽をかけながらすると楽しんでできます。
きれいな足をつくる筋肉を鍛える
内転筋
内転筋は両足を引き寄せ、締まった足を作ります。
道具を使わず気軽に内転筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。
- 体を横向きにして寝る 体はまっすぐ
- その状態で、上の足の膝をまげ足裏を床に付ける
- 下の足を伸ばしたまま天井方向へゆっくりと持ち上げる動作
ゴムチューブを持っているかたは、チューブをつかった内転筋のトレーニングにもチャレンジしてみましょう。
- ゴムチューブを用意する
- 柱などの動かないものに輪っか状にしたチューブをかけ、自分の片足にもかける
- 両足を外旋した状態でゴムチューブのかかった足を、もう片方の足に引き付ける
足指、足裏筋、足底筋
下肢の筋肉は体重を支え、きれいなアーチを作ります。足指や足裏筋を鍛えるトレーニングは、簡単にできるものがいくつかあります。
・軽くルルベした状態で歩く
・床にタオルを敷き、足指でたぐりよせる
・スーパーボールなどを足裏でつかむ
骨盤を安定させ、ターンアウトを保つ外旋筋を鍛える
- 四つん這いの姿勢で、片足の膝を床から3センチほど浮かせます。
- その姿勢のまま浮かせている足を、横に上げます。(浮かせている足の膝は90度を保ちます)
- そのままの姿勢を3秒保ちます。
- 骨盤がぐらつかないように、ゆっくりと足を戻します。
*ステップ2~4を繰り返します*
この時に、お尻の筋肉が使われていることをしっかりと意識してください。
筋トレをするにあたっての注意点
バレエの場合、無駄な筋肉をつけてしまうと足が太くなってしまったり、筋肉が硬くなってしまったりと、バレエをするには適さない身体になってしまいます。
よってスポーツマンの様に、大きい筋肉の収縮伸張を繰り返すような筋トレは控えたほうが良いです。また、筋肉を柔らかくするためにレッスンや筋トレ後は、使った筋肉をリリースさせるようにストレッチなどを行うと良いです。
効果的に筋トレの効果を出すには、何気なく筋トレをするのではなく、どこを鍛えているのかなど、意識することが大切です。これはレッスンの時も同じで、バーレッスンではどの筋肉を使うかを意識するとより効果的です。
頻度としては、最低1週間に二日くらいは筋トレの日を設けるとよいでしょう。
このようにバレエに適した筋トレは静的動きによるものが多く、地味な筋トレです。地味なトレーニングですが、地道に行うとかならず動きが変わってきます。自分の苦手な動きがあれば、それに関連する筋トレを行ってみて下さい。きっとパフォーマンスは向上することでしょう。