この解説で扱っているのは、動きの入り方は似ているけれど、途中から雰囲気が変わる2種類のポールドブラです。
共通しているポイントは以下の通りです。
最初は両方とも同じステップで始まる
途中までは同じ形・同じ流れ
あるところから重心の移動と表現が変わる
まずは、2つに共通する基本の流れから見ていきましょう。
2つのポールドブラに共通する基本の動き
どちらのパターンも、ここまでは同じ動きです。
プリエを踏む
前の足をスライドさせる
片足にしっかり体重を乗せる
ポーズ(ポジション)の形に入る
ここまでは2種類とも共通で、違いが出てくるのはこのあとになります。
ポールドブラ【パターン①】の動きとポイント
まずは1つ目のパターンです。
パターン①の動きの流れ
ポーズに入った状態から、その形のまま膝を曲げる
後ろに伸ばしている足へ体重を移動する
前の足でしっかりと床を蹴って、後ろへ移動する
移動した位置で、そのまま横に曲げていく
パターン①のポイント
後ろの膝は曲げない
前足でしっかり床を蹴る
大きく移動できなくてもOK(少しの移動でも問題なし)
見せたいイメージ
頭の先から手の先、後ろ足のつま先まで
一直線につながる「長いライン」を見せるイメージ
頭を深く下げるというより、ラインの美しさを優先する
ポールドブラ【パターン②】の動きとポイント
次に、2つ目のパターンです。
パターン②の動きの流れ
同じようにポーズに入ったあと、4番プリエに入る
頭を下げて、前に折りたたむように上体を倒す
前の足にあった重心を、後ろ足側へ移動する
横へ曲げる動きにつなげる
後ろを通って、ポジションに戻る
パターン②のポイント
頭をしっかり下に潜らせるように小さくなる
そのあと、大きく開いて戻ってくる動きがダイナミック
重心移動の仕方が、パターン①とは大きく異なる
パターン①と②の雰囲気の違い
2つのポールドブラは、構造だけでなく見え方や雰囲気も大きく変わります。
パターン①の雰囲気
とにかく長いラインを見せる
なめらかで流れるような印象
上品でスーッと続く感じのポールドブラ
パターン②の雰囲気
一度小さくなる動きが入る
そこから一気に大きく動いて戻る
メリハリがあり、ダイナミックな表現になる
ポイント整理:2つのポールドブラを使い分けるコツ
2つの違いを整理すると、意識したいポイントは次の3つです。
ステップの違い
パターン①:そのまま膝を曲げて体重移動
パターン②:4番プリエを挟んでから重心チェンジ
重心移動のタイミングの違い
前足から後ろ足への移り方が異なる
表現(ニュアンス)の違い
パターン①:長いラインを見せる、流れるような美しさ
パターン②:小さくなってから大きく動く、ドラマチックさ
まとめ:同じようで全然違うポールドブラ
動きの入り方は似ているが、途中から重心と表現が変わる
パターン①は、ライン重視で優雅に長く見せる
パターン②は、小さくなってから大きく動くダイナミックな表現
どちらも、どんな雰囲気を出したいのかを意識すると踊りが格段に美しくなる
レッスン中にこのポールドブラが出てきたときは、
「今は長いラインを見せるタイプなのか」
「それとも、小さくなってから大きく動くタイプなのか」
と意識しながら動いてみてください。
同じ振付でも、見え方は大きく変わります。