バレエ用語の【プリエ】の語源となっているのは【plier】
フランス語で曲げる、折るという意味で、バレエでの意味は膝を曲げることを【プリエ】といいます。バーレッスンの最初は大抵プリエのエクササイズから始まります。
このことからも分かるようにプリエはバレエの基本中の基本です。正しくマスターしましょう。
バーレッスンで行うプリエには【ドゥミプリエ】【グランプリエ】の2種類があります。それぞれ半分のプリエ、大きなプリエ、という意味です。
プリエのやり方
バーレッスンでのプリエのやり方です。
基本のドゥミプリエ
- ポジションで立ち上体を引き上げます。(引き上げのコツは下記)
股関節から脚全体で、できる範囲でターンアウトをします。 - 引き上げた状態から膝だけが横に引っ張られていきます。プリエをするときはしゃがむのではなく、結果的に上体が下がっていくだけです。かかとが床から離れない範囲まで膝を曲げます。
(2番ポジションではドゥミプリエは腿の角度が45度になるくらいまで) - プリエから膝を伸ばして元に戻ります。
足裏で床を真下に押し、それと反対方向 天井方向に上体が伸びることで膝か伸びていきます。
基本のグランプリエ
グランプリエはドゥミプリエより深く膝を曲げるので、グランプリエではかかとが床から離れます。(2番ポジションではかかとは床についたままです)
ドゥミプリエを通り、1・4・5番ポジションでは脚が菱形になるところまで、2番ポジションでは腿が床と並行になるまでプリエをします。
グランプリエから戻ってくるときは、まずかかとがついてドゥミプリエのポジションを通ってから最後まで引き上げて膝が伸びていきます。
プリエの上達のコツ4つ
プリエはしなやかさが命です。
これからバーを離れて、片足でのプリエ、ジャンプの着地のプリエなど、応用していかなければなりません。柔らかいプリエができるようになっておかなければ、怪我の元になります。
1.引き上げる
まず膝を曲げる前にまず床から頭の先まで上に引き上げます。
足裏をしっかり床につけて、外回りに回りながら螺旋状の流れが脚の周りを上がってくるイメージをしてみてください。そのまま股関節を抜け、お腹を抜け首の後ろを通り頭のてっぺんから抜けます。
この引き上げをしていなければ、ただの屈伸運動になってしまいます。
2.股関節からターンアウトする
ターンアウトは股関節から脚全体で開きましょう。前腿、膝、つま先が全て同じ方向を向いているか確認してください。これは全てのポジションにおいていえることです。
無理に足首や膝がねじれた状態でエクササイズをすると故障の原因になります。
3.全て並行、均等になっているか
プリエは股関節、膝、足首全て均等に屈折しているようにしましょう。
また、左右の肩と骨盤の四点は長方形をたもったままにします。左右の骨盤が平行になっているか、肩が平行になっているかを確認します。
4.内ももを使ってしなやかに
股関節近くの内ももは常に引き寄せて上に引き上げておきます。
プリエは膝が横に引っ張られていくと述べましたが、そのときも内ももは引き寄せたままにします。膝とももが反対方向に引っ張られているのを感じてください。こうすることで、軽くポキポキした動きではなくなります。
また、伸びる時は足裏で床をしっかり押して伸びます。常にエネルギーの流れを意識してエクササイズを行ってください。
間違えやすいプリエのNG例
おしりが後ろに出っ張ってくる
特に股関節が硬い方がやってしまいがちなのが、おしりが後ろに出てきてしまうことです。
おしりは常に引き締めて、1番5番ポジションではかかとの真上に、2番4番ポジションでは左右の脚の中央に来るように確認してください。
おしりが後ろにでると、力が入らないので意味のないエクササイズになってしまいます。
膝が中に入る
脚がねじれていると、膝が中に入ってきます。常につま先と膝の方向が一緒か確認してください。やり方の項目でも述べましたが、脚をねじった状態でプリエをするのはとても危険です!
特に4番ポジションでは後ろの脚への意識が無くなりがちです。両膝ともしっかり横に引っ張りましょう。
また膝が中に入っているということは、高確率で土踏まずがつぶれています。正しい立ち方をしていないと、外反母趾や扁平足の原因になるので必ず股関節からターンアウトをし、無理のない範囲で少しずつ練習していきましょう。
グランプリエで下がりすぎる
グランプリエを一生懸命やり過ぎて、下がりすぎていませんか?
1・4・5番ポジションでは綺麗な菱形になるように意識しておきましょう。かかとがおしりがつくことは絶対にありえません。また膝がかかとより下に行くこともありえません。
2番ポジションでは膝より下におしりが下がらないようにします。
グランプリエは休憩ではありません。
限界まで下がって脱力をしてしまうと、膝に負担がかかってしまいます。常に引き上げた状態でプリエをしてください。
上体が倒れてくる
鏡を見たり自分で見て確認する余り、上体がねじれたり倒れたりしてきてしまう方がいます。
頭は常に腰の上にあるように意識してみてください。慣れてくるとポールドブラを大きくつけることもできますが、まずは基本をマスターしましょう。
上記もしましたが、肩と骨盤の4点が崩れないようにしてください。足がちゃんとポジションに入っているか?など気になるかもしれませんがのぞき込むのが癖になってしまいます。上体をホールドする技術をつけるためにも上体の四角を意識してください。
まとめ
バレエの基本中の基本、プリエの意味とやり方をご紹介しました。
バーレッスンで行うプリエの他にも、プリエはパとパの間をつなぐ役割や、次の動きへの助走の役割、ジャンプの着地のクッションの役割などもあります。
そのため、レベルアップして行くにつれてたくさんの応用プリエが登場します。
ですが何より大切なのは、バーレッスンでのプリエを忘れないことです。プロのバレエダンサーでもプリエを大切に毎日のレッスンをしています。
正しいプリエをマスターして、怪我なく楽しくバレエを踊りましょう。