大人の習い事として、人気のあるクラシックバレエ。幅広い年齢層で人気のバレエですが、踊りを頑張りすぎてケガをしてしまう方も少なくありません。
筆者自身も20代後半から習い始めて、トゥシューズでのレッスン中に転倒し、左足甲の骨にヒビが入った経験があります。
正しいケガ予防対策をしていれば、ケガをしても後遺症が残ることはありません。ケガをした経験をもとに、大人のバレエでのケガ予防に大切なポイントをご紹介します。
トゥシューズを履くのは先生の許可がでてから!
レッスンの見学や申し込み時に「トゥシューズを履くことはできます」という案内があっても、先生の許可が出るまでは、履くことができません。
バレエの基礎ができていないうちは、トゥシューズを履いて踊ると、つま先、足首、膝に大きな負担がかかります。全体重がつま先にのるので、指の捻挫や、バランスを崩して足首を捻挫することもあります。
先生の許可が出たとしても、自分の足に合うトゥシューズを履かなければ、マイナートラブルやケガのもとです。トゥシューズ選び方については、先生の指示に従いましょう。
毎日のストレッチがケガ予防につながる
レッスンでしっかりストレッチをしますが、間違えたストレッチは逆に筋肉や関節を痛めます。正しいストレッチが、ケガやマイナートラブル予防になります。
ストレッチの基本は、以下の3つになります。
- 無理をしない
- 反動をつけない
- 呼吸をとめない
大人バレエのクラスでは、ストレッチに重点を置いている教室が多いので、レッスン中に習ったことは、家でもやってみましょう。
家での筋トレもケガ予防のひとつ
トゥシューズでのフルポワント(完全に爪先立ちで立つこと)は、足裏の筋肉、足の筋肉、全身の筋肉を使って立っています。筋力が足りないとバランスを崩してケガにつながります。バレエで使う筋肉を鍛えることもケガ予防には大切です。
家で簡単にできる足指・足裏の筋トレ
足の指を開いたり閉じたりするトレーニング
- 足の指を開いたり閉じたりする
- 床に座って、膝を曲げずに両脚を前にまっすぐ伸ばす
- 足はフレックス(かかとは直角で足底をまっすぐにする)にする
- 足の指全体をぎゅっと丸める
- 指全体を扇状に広げる
- 3と4の動作を10回続ける
足の指だけでタオルを引き寄せるトレーニング
- タオルを広げて、足元に置く
- 足指を左右交互に動かし、タオルを全て足の指のみで引き寄せる。(かかとを床から離さないように注意しましょう!)
小さめのボール(ピンポン玉、スーパーボールなど)を足指で掴んで持ち上げるトレーニング
- 足元にボールを置く
- 足の指先を思いっきり広げて準備する
- 足の指の付け根に(指を広げたまま)ボールを押しあてる
- ボールを足指5本で包み込むように挟む
- 4の状態のままボールを持ち上げる
チューブを足先にかけて、つま先を伸ばすトレーニング
セラバンドとは、15㎝幅くらいの薄くて長いトレーニング専用のゴムのことです。(スポーツショップや、ダンス用品専門店で購入可能)
- 片脚を前に伸ばし、つま先はフレックス(足首を完全に曲げた状態)にして床に座る
- セラバンドを足裏のつま先部分にかける。この時、かかとは遠くに押し出すようにする。
- 指の付け根でセラバンドを押すように足首を伸ばす。5本の指は曲がらないようにして、ドゥミトワントの状態になる。
- 指のハラのみでセラバンドを押し、フルポワント(完全につま先立ちで立つ状態)になるようにつま先を伸ばす。この時、指の関節はなるべく曲げないようにしましょう。
- 4→3→2の順で、ゆっくり元の位置に戻す。
- 片方ずつ、伸ばして戻すを1セットとして、10セット程度繰り返す。反対の足も同じトレーニングを行いましょう。
筆者もバレエ習い始めた頃は、バランスが取れずぐらつきがありました。レッスンや筋トレを続けて1年経過すると、ぐらつきが消えテクニックが向上しました。初めは出来なくても、焦らず続けることが大切です!
痛い場所があれば、レッスンを思い切ってやめて診察を受ける!
クラシックバレエで出てくるマイナートラブルとして、以下が挙げられます。
- 巻き爪
- タコ・魚の目
- 外反母趾
原因は間違えた体重のかけ方。痛みをかばおうとして、反対方向へ体重をかけることが原因でおきます。トゥシューズを履き始めると出てきやすくなります。
日頃の足の手入れで回避できるマイナートラブル以外にも、レッスン中に、腰や足に突発的な痛みが出てくることがあります。
踊っていて痛みがひどい時は、絶対に無理をせずに、すぐに整形外科を受診してください。
まとめ
バレエは、人気のある習い事ですが、十分注意する必要はあります。筆者自身もトゥシューズでのレッスン中に転倒し、ケガをしました。1ヶ月半ギブスをつけ、ギブスを外してからは地道なリハビリをおこない、ケガから2ヶ月後に戻ることができました。
リハビリは、整形外科医の診察と指示に基づいて、理学療法士がおこないました。私が受けたリハビリは、温浴パッド・マッサージ・歩行練習でした。医師の診察による快復度のチェックで、リハビリ数の調整もおこないました。
大人バレエのケガ予防は、ケガをした時のリハビリを早めるという効果もあるので、先生からの注意を守り、日頃から自分の体と話しながら必要な筋肉と柔らかさを育ててあげてください。